【人はパンのみに生きるに非ず 】後編
前編は…こちら
自然と仕事に力が入る。
どんな些細な事も妥協してはならない
私が今している事は この人達の生活の一部になるのだ
次の入口では 住人の方に缶コーヒーを頂いた 。
移動の時 また、ご老人が手伝いに現れた 。
次では 缶ビールを そのまた次では お菓子を
それぞれの方が差し入れを持って来てくれた。
最後まで ご老人は 移動の度に現れて 小さな箱を運んでくれた。
今日の私の仕事は 間違いなく 人の役に立っている。
そんな実感が湧いてくる 。
本当の仕事とは こんなものかも知れない 。
人のために仕える事。 仕事。
古臭いと言われるだろうが そこには 確かに交流があった 。
この人達のために…っという想いがあった。
帰りに事務局に寄る 理事長が代金を支払ってくれた。
私は両手で受け取り深く頭を下げた 。
とても重たく感じた。 おそらく財布の中の方が
沢山 入っていただろう。しかし、それよりも重く感じた。
理事長が「少ない金額で申し訳ない」と、頭を下げた 。
とんでもない 沢山頂きましたよ。
と、コーヒーやビールやお菓子の入ったビニール袋を見せた 。
理事長がニコッと笑った 私も笑った 。
帰りのバックミラーの中で理事長がいつまでも見送ってくれた
今日は 旨いビールが飲めそうだ
と、ビニール袋に目をやった。
もしかしたら こんな私も じいさんになった時
人のために生きられるのかも知れない
(株) 鋼華



