【人はパンのみに生きるに非ず 】前編
ご無沙汰しております。鋼華の高橋です。
つい先日、ささやかな出来事で、
忘れかけてた、大きな感動を体験しました。
今 私のマンションは 補修工事をしている
カーテンも開けれず 洗濯物も干せず 騒音も絶えない
その上、業者のミスで工期が3ヶ月延びると言うのだ
当然 管理組合と施工業者で言い争いが始まる
責任の所在はどこへやら
そんな中 私のところにも とあるマンション管理組合から
工事の依頼が来た。工事と言っても些細な作業だ
入口すぐに3段ほどの階段がある。
そこに手摺りを付けて欲しいと言うのだ。
予算もないし 時間も掛からないので、
日曜返上して私が行く事にした。
現場に着いて早々 一人のおばあちゃんが現れた
杖をついて階段を降りる彼女を見て、
その人に合わせて取り付ける位置を決めようと思った 。
二人で話しをしながら 作業は 進む
『こんなもんか?婆ちゃん』 「もうちょっと下かな」
『んじゃ これくらい?』 「あぁ、いいね。楽だよ」
『じゃ 今度は、上がってみて』
位置が決まった。婆ちゃんは、嬉しそうに部屋に帰った。
次の入口に移動する 全部で8ヶ所 入口がある。
思いの外 時間が掛かった 急がねば!
作業を進めていると 今度は男性のご老人が現れる。
眉間に深いシワのある老人は 見るからに頑固そうだ
何をしてると、問う。手摺りを付けていると答える。
手摺りを掴みながら一人 うん うん と、うなずく。
私が 次の入口に移動しようと工具を運ぶと
老人は「手伝う」と、工具を持った 。
慌て「大丈夫だよおじいちゃん。一人で出来るから」
しかし、老人は 言う事を聞いてくれない
仕方なく 軽い小さな箱を持ってもらった。
老人は 足を引きずりながら運んでくれた。
どうやら このマンションは ご老人が多いらしい。
自然と仕事に力が入る。
どんな些細な事も妥協してはならない
私が今している事は この人達の生活の一部になるのだ。
・・・つづく
(株) 鋼華



